【法務省・公安調査庁】業務説明会(12月3日)

法務省公安調査庁の業務説明会が、省内で行われ参加した。
本日は、第一部 若手職員との座談会、第二部 各局庁政策トピック及び業務説明会、第三部 内定者懇談会の計三部であった。

私は、一部、二部とも保護局、公安調査庁の説明を受けた。
去年度は、法務省においては、保護局、矯正局が興味ある分野であったが、去年の説明会などにより、保護局と矯正局では保護局の方が興味あると判断したため、今年度は新しい分野の説明を聞くことにした。

法務省全体としては、人物本位の採用であり、「人による人のための行政」という文言は変わっていなく、各局庁の説明会でも、人を相手にする仕事であるということが重々伝わってきた。
また、法務省は、?コミュニケーション能力が高く、?環境の変化に的確に対応でき、?自己変革力を持ち成長できる、人を求めているという点も、変わらずのことであった。

【保護局】
第一部の若手職員との座談会を担当して下さったのは、
法務省大臣官房人事課 企画第一係員 平畑 昇平 様 であった。
平成19年度入庁である。
彼は「犯罪をなくしたい!」という思いがあり、犯罪の六割は再犯者によるという事実に基づき、保護局を目指したとのこと。
どの局も、「人」を相手にするのであるが、刑務所の中というある種特別な状況下におかれている人を相手にするのではなく、出所後の「素」の人間を相手にすることができるのが、一つ矯正局と比較したときの、保護局の魅力であると思う。
この点、平畑さんも、「出所直後からしばらく経つと、やはり素の部分が出始める」とおっしゃっていた。
また、警察との違いとして、対象の多様性について言及されていた。
警察では、触法少年について、少年法が改正されたものの、まだまだ対象として制限があるらしい。
一方、保護局では、対象は老若男女にわたる、とのことであった。
人間と直接かかわることができる点で、十分魅力的な業務ではあるが、やはり現場に出れる時間、期間は他の省庁と比べ格段多いものの、やはり警察よりは少ないと感じた。
だが、現場に出て、その経験を踏まえ、必要な制度などを役所で考案出来る点は、両者同じである。

第二部の各局庁・政策トピック及び業務説明会を担当してくださったのは、
保護局総務課精神保健観察係長 宮澤 由紀 様 である。
彼女は、平成11年、教育で入省されたらしい。
彼女の話で印象的だったのは、?保護局は矯正局と比べて、多くの人数と関わることができること、?すべての対象者が高いモチベーションを保持しているわけではない、という点である。
矯正局がかかわるのは一義的には刑務所に収容されている人であることを考えると、保護局は外に出ている人を対象にしているので、?はある意味当然であるが、十分魅力的な話である。
去年度の説明会で聞いた、「犯罪防止は出てきてからの方が大切だ」という文言を?の話を聞いた時、頭をよぎった。
犯罪防止という明確なビジョンに対し、どのようにして私自身がかかわっていきたいか、貢献できるのか、どのように考えが推移していくのか、楽しみではある。
(決断できる「場」を確保するためにも、是非試験には受かりたいと思った。)

公安調査庁
初めて参加した説明会であるが、なかなか面白い(学生の間でしか、体験できない)説明会であった。
担当者自身も、業務内容を口外することはできず、「やりがい」や「失敗したこと」なども言及できないらしい。
その中で、参加者との質疑応答を通し、何点か興味深い話があったので、記しておく。
まずは、簡単な業務の流れをおさらい。
調査事項の立案・指示→情報収集(協力者工作・運営、外国機関などとの連絡、公然資料収集)→情報の整理→情報の分析・評価→資料作成・蓄積→情報・資料提供、である。
結局は、「情報収集」が要である。
小さい頃より、情報を集めるのが得意な(好きな)僕にとっては、なかなか魅力的な業務。
情報収集において重宝されるのは、コミュニケーション能力であろう。
それが前提となり、相手の信頼を勝ち取るすべを経験を通し、学んでいくのであろう。
この、相手から情報を得る(=相手の信頼を勝ち取る)という行為は、相手方が認めてくれるような努力が自ずと必要になってくる。
また、気になった、庁内の雰囲気であるが、風通しはよく、上司に意見進言なども、可能な雰囲気らしい。
公安庁では、情報収集をメインにやっており、その情報の重要性、信憑性などにつき議論がされるらしいが、そこにも価値観の多様性に基づいた議論であり、なかなか判断は難しいものであろう。
また、庁独自の「情報分析」とはいったいどのようなものであろうか。
官庁訪問にてまた詳しく聞いてみたいとも思う。