【説明会】法務省テーマ別意見交換会

法務省のテーマ別意見交換会に参加した。
事前に行われた採用説明会にも参加したが、その説明会は従来通りの説明会で、初心者を対象にしたものであった。
「人による人のための行政」という点がよくわかるような説明であり、法務省が扱う対象が「人そのもの」という点が強調されていた。

法務省は局別採用であるが、今回僕が参加したのは、矯正局と保護局の二つ。
それぞれ、簡単にまとめを記しておく。

<矯正局>
 テーマは「刑務所の課題とPFI手法の活用」、説明者は総務課の細川さん。
三年間現場での経験があり、他の13年間は本省勤務という法務省役人としては珍しいタイプ。
しかもその三年間の現場も、府中刑務所が二年、東京拘置所が一年という割り振り。
さぞかし、本省から好かれている優秀な方なんだろう。

 まず、刑務所の現状の説明があり、その課題についての説明があった。受刑者が収容されるときの区分について全く知識がなかったので、新鮮に感じた。(ちなみに、PFI刑務所が担当するのは、A級のみだそうだ。)現状として、処遇は刑務作業が中心であるが、今後、矯正教育をも重視していくだろうとのこと。
課題では、どのように再犯防止を行うかが大きな課題だという。

 さまざまなメリットが考えられるPFIであるが、?民間委託は危険じゃないかと考える刑務官 ?本省職員減少に対する危機感などから、PFI導入はまだ反主流であるらしい。

 刑務所に関することだけではなく、民間委託というテーマは避けて通れないテーマであろう。

<保護局>
 テーマは「仮釈放なしの終身刑導入」。説明者は観察課の田中ケンシロウさん。
意見交換会らしく、参加者は活発に種々意見を発言し、なかなか活発であった。
一定の議論には達しなかったが、普段考えないテーマであり、しゃべり場とは違い、データを基にした議論はやはり有意義であると思った。
 参照にしたデータは、保護局を中心に行われた勉強会の成果である、「無期刑受刑者の仮釈放に係る勉強会について」である。
 議論の主な着眼点は、?死刑、無期、有期の三つの間にあるギャップについて ?ギャップを運用で埋めるべきか、制度で埋めるべきか ?刑務所に求める内容 の三点であった。
勉強会での結論は、現状の運用でギャップを埋めるというので一致したらしい。僕も同感である。「裁判官の付言」という点も今後注目されるべきことであろう。

さて、今回説明会に参加して、特に気にいった点があったので、まとめておく。

?保護局は「人は変われることを前提に仕事」している点
?対外的には制約はあっても、自由の意思の表明は割りかしゆるされる点
?人と人とのかかわりを非常に大切にする行政である点

また、出てきたあとが一番大切ではないか、と考える田中さんの意見にも興味を抱く。