【霞ヶ関特別講演】警察庁

22日、慶応大学日吉キャンパスにて霞ヶ関特別講演(警察庁)が開かれた。
今回お話していただけたのは、警察庁刑事局刑事企画課長補佐 森下元雄氏である。

テーマは「変革を続ける刑事警察」である。
森本課長補佐の職歴が紹介され、その後、警察捜査を取り巻く状況や情勢に応じた諸施策の説明のもと、今後の展望についての話がなされた。

職歴の中で、印象に残っているのが、森本課長補佐が就職活動時に阪神淡路大震災やオームサリン事件が起こったことである。
これらの事件が彼の警察庁入庁の志を強めたことは間違いないだろう。

警察捜査を取り巻く状況という話のなかで印象的なのは、警察捜査と司法制度改革についてである。
今回の話の中では、取調べ時についての話が例として出されていた。
司法制度改革により弁論の機会が一度しか与えられなくなるというしわ寄せがこのような所にまで出てきているとは考えたことがなかった。
戦後、自白が確固たる証拠となることが難しくなり、物的証拠主義となった。
そのため、取調べにおける「自白」が有効なものとするための今回の「取調べの録音・録画の導入」の主張には納得できる。
ちなみに、本講演においては、司法制度改革への対応として、制度上は「公判前整理手続等の裁判の充実・迅速化に係る新制度の導入」、運用上は「司法書類の減量化、資格資料などを利用した分かりやすい立証方法の工夫」等が挙げられていた。

今後の展望のお話の中では三点挙げられていた。
「科学技術を活用した犯罪捜査の更なる推進」「犯罪のこん跡をたどるための捜査環境の整備」「捜査力・執行力の更なる強化」である。
以前読んだ、佐々さんの本でも、書かれていたことだが、愉快犯とうが増え、今までは「虫の目」捜査が有効であったものが、その有効性を否定するものではないが、「鳥の目」が必須になってきたと思う。
そのための、捜査力・執行力の更なる強化が必要になってくるのは時代の自然な流れだと思う。

質疑応答で「体感治安」についての話があった。
国民と庁との乖離については僕も興味ある分野である。
以前、銃規範の法改革に携わった方に、「国民の声というのをどのように受け止めて、どこまで反映させるべきなのか」と伺ったことがある。
法改正とうの時には、事前にあらゆる分野の方の話を聞くとのこと。
だが、例えば、銃の取り扱いというのは、全警察官の命に関わること。
過去にも数回、正当な武器使用が認められなかったために、殉職された方もいたはず。

精神的に使えなかったというのと、制度的に使えなかったという二種類考えられると思うが、
制度的なほうは、省庁での早急な対策が必要になることだと思う。

今後、適切な行政警察のあるべき姿とはどのようなものか考え、どのような制度が今後必要になってくるのかを考えて行きたい。